歴史ある天城山に息づく動植物

古く江戸時代には天領として大切に保護されていた天城山は、森林資源の宝庫です。ここ伊豆半島は、本州から太平洋に大きく突き出した地形によって、雨や霧が多いのが特徴です。かつての火山活動によってできた天城山は、豊富な地下水を蓄えており、こんこんと湧き出す天城の清流は、名産品であるワサビの栽培にも活かされています。

随所にそのままの自然が残る天城山には、豊かな植生とともに、数多くの野生動物が息づいています。カワセミやシジュウカラ、野鳥のさえずりを耳にしながら、壮大なブナの原生林、ヒメシャラの森を抜け、希少なアサギマダラの舞う姿を愛でる…。そんな、登山やハイキングを楽しむことができるのは、天城高原ならではの魅力です。

参照元／『中伊豆町自然観察ガイドブック「天城山」』中伊豆町 発行

太古の姿そのままに、野生の動植物が息づく天城山。ブナの原生林をはじめ、モミ、ヒメシャラ、マメザクラ、天城の名を冠したアマギシャクナゲやアマギアマチャなど、多様で豊かな植生が魅力です。また、カワセミやシジュウカラ、ホトトギスなど、一年を通して多くの野鳥が観察できるほか、オニヤンマやカブトムシ、アサギマダラなどの昆虫や、アマゴやサワガニ、ハコネサンショウウオなどの魚類や水生生物も見つけることができます。

天城山ハイキング

天城縦走路は全長約17kmのやや上級者向けのコースです。「天城高原ゴルフコース」横の登山口を出発し、万二郎岳、万三郎岳、八丁池と、天城連山を尾根伝いに縦走します。原生のブナやヒメシャラの林など、天城の豊富な植生を楽しみながら歩くこと約7時間。かの歌で知られる天城峠が終着点です。天城峠からは湯ヶ島温泉も近く、湯船でゆっくり疲れを癒すのもいいでしょう。